長崎古版画 手刷複製木版画 7枚揃

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50cmx35cm
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①阿蘭陀陀人
絵師と版元を兼ねた磯野文斎作。礼帽を左手に、右手で懐中時計を見ているカピタン(出島蘭館長)。その前方低く従僕が提琴と弦を持って待しています。多分カピタンは、宴会か何かの集会に出席するため時刻を気にしているのではあるまいか。懐中時計や提琴は当時のわが国としては珍器に属していたのです。

②シウゼンジュキジョラウ唐館交加遊女の図之図
唐館交加"と書いてシウゼンジユキ(十善寺行き)と読ませています。中国人の居留地は新地と称しますが、もとより十善寺郷の一部ですから十善寺行きと呼ぶのに不思議はありません。

③道中ハヤシ方行列之図
外国の使節が隊伍をととのえて上陸するということは、徳川時代も中期までは有り得なかったことですが、一八五三年(嘉永六年)旧七月十六日、ロシアのフレガット艦パルラダ号が、プチャーチン提督にひきいられ、アメリカのペリー提督の浦賀入港から一ヶ月ほどおくれて長崎に入港し、強制的通商をせまるに及んで、はじめて長崎の町中にもおらんだ以外の外人部隊の上陸が見られるようになりました。

④蘭船入港の図
長崎版画は広重の「東海道五十三次」のように、風景と人物と季節感を調和させた民俗芸術の粋でもなく、春信や歌麿のように時代によって移り変る婦女習俗をもととした耽美的なフェミニズムを発揮するものでありません。

⑤紅毛人遠見之國
筆者版元不明の極彩画。カピタン(出島蘭館長)が従僕を連れて蘭船の入港を見守っている場面でしょう。蘭船の出入港に際しては、長崎奉行所の曳舟(ひきふね、監視小舟)多数付添うのが例であるが、ここには見当らないので、それが終了後と考えられます。

⑥蘭人饗宴之図
この絵は林子平(一七三八一七九三)が、長崎の出島おらんだ商館を訪ずれ、カピタンからもてなしをうけた時に写生したものを、のちに自から板木を彫り自から摺ったもので、左側の椅子に座する者がないのは、子平自からの座で写生するため椅子をはなれたものだといわれます。ー

⑦阿蘭陀美人と狆
この図は長崎古版画としては、稀に見るほど繊細な技巧と行きとどいた観察に成功しているようです。
しかし、その技巧と観察によく気をつけて見ると、どこかにオランダのいわゆるフランドル派の写実的傾向をおびたデッサンなり構図なりが連想されます。

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